
ヘアカラートリートメントに対する疑問にお答えします
上位者は親分のように、下位者は子分のようにふるまい、文字通り上下の関係は「親分・子分の関係」であった。
そういうことだから、下位者が個性を出すようなことはもってのほかで、それどころか上位者のいう通りの思考行動を取らなければならないから、下位者はすべて上位者の指示する色に染まらなければならなかった。
そのような時代、とりわけ昭和20年代につくられたシステム、組織、制度が、今日もなお通用すると考えるほうがおかしい。
変わって今日、意識構造が横型になっている。
横型になった原因は何かといえば、一つは社会が豊かになったことであり、2つ目は情報化の進展だろう。
昭和30年代後半から経済は拡張の一途をたどった。
国民も気がつけば世界1、2を競う所得を有するようになっていた。
国もまた「経済大国」と称されるようになった。
貧しい国から豊かな国への変的に命令し支配し管理する。
それを受けて下位者は何事にもじっと耐えて、服従、従属するのである。
社会が豊かになると、必然的に人々の意識に変化がもたらされた。
徐々に意識構造が横型に転換するのである。
いままでのように、一つの組織、集団から「脱藩」すると食事に事欠く、というようなことはあり得なくなった。
仕事を選ばなければ、あるいは正社員に拘泥しなければ、食べるほどにはいくらでも稼ぐことができるようになった。
豊かになれば、人々は自由を選択するようになる。
一つの組織、一つの集団に縛られたくない、あるいは不服のあるときは、アッサリと、その集団、組織から抜け出してしまうようになった。
自分の納得しない集団、組織に無理をして残る必要はない。
自分の満足しない組織にいつまでも縛られている必要はない。
自分のやりたいこと、やりたいところで、食事ができ、多少遊べる程度の金が得られれば、それでいいということになった。
何も正社員でなければならないということはない。
「フリーターで十分。
管理され、支配され、命令されることなどまっぴらご免だ」ということになる。
服従や従属など言うに及ばず、自分の個性を抹殺するようなことはイヤだ、ということになる。
こうなると、従来の「権威」というようなものは存在し得なくなる。
理不尽なこと、不正なことすら下位者に押しつけることができた権威は、もはや一片の紙切れにも値しなくなった。
横型の意識構造では、「相談」「協調」「協力」が求められるようになる。
反面、「自律」「自主」「責任」が必要となる。
さらに「個性」「多様さ」が強調されるようにもなる。
豊かさは、縦型の意識構造を横型に転換する結果を生み出したのである。
もう一つ、急速に進展しつつある高度情報化もまた、縦型社会を横型社会に変える原動力になった。
最近のコンピュータの普及は著しいものがある。
職場どころか、家庭にも普及している。
携帯電話は、かつてのコンピュータ、マイコンを遥かに凌いで、国民の二人に1人を超える普及率になっている。
誰もが手軽に情報を発信し、どこからでも多様な情報を入手できるようになった。
どこで、どのようなイベントが行われるのか、どこで展覧会、映画舞台があるのか、それらの評判はどうなのか。
公式なコメントはなくとも、お互いに友だち同士がパソコンで、携帯電話で情報をやり取りするようになった。
そのような身近な情報だけではない。
政治、経済、社会、その他あらゆる情報が瞬時にしてインターネット、あるいは携帯電話で手に入れられるようになった。
情報はもはや一人が独占する、少数の特定の人間だけが獲得しておくというような時代ではなくなった。
構造、親分・子分の関係を拒否する構造に変質させたのである。
その横型の意識構造の特質がうまく引き出されていないのは、パラダイム、すなわち構造変化が行われていないからだ。
思えば、以前は上位者は情報を独占することによって上位者になることができた。
独占的に得られた情報によって、下位者を脅迫する。
それによって「権威」を保ち、組織を統制し、集団を統括した。
大抵の場合、特別な能力、人間的魅力、人徳によって上位者になっていたのではない。
「秘密の情報」で、権威を保持していたのである。
しかし、情報化の時代になり、情報が拡散すれば、一つの情報を独占することができない。
そのようなネットワークの時代になると、情報は権威の手段の役割を担うことができなくなった。
大学でさえ、教授より学生のほうが良質の情報を抽出、保持するようになった。
教授がシタリ顔で講義をする前に、学生がインターネットで必要な情報を獲得している。
いままでのような「教える」というスタイルは難しくなっているのである。
かくして、縦型の意識構造は、社会が豊かになったこと、高度に情報化することにより、崩壊した。
そして、横型の時代に変わったのである。
このことを教育はもちろん、経営、政治、経済、社会、あらゆる問題を考えるとき、考慮しなければならないと思う。
しかし、横型への変化を本当に理解している指導者は、残念ながら極めて少ない。
その環境の変化、社会の変化、時代の変化、意識の変化を理解したときにはじめて、510年以上も前に決められたいかなる制度、組織、体制、法律、そして権威すらも、ほとんど役に立たなくなったということが認識できるだろう。
それにもかかわらず、依然として、往時の権威の無力化、失墜を嘆き、憤る人たちがいる。
そして、往時の権威、秩序の復権を夢見る人たちがいる。
しかしそれは、身体が大きくなったのに幼児の服が着られなくなったと腹を立て、憤っているのに等しい。
時代が変化したのであれば、時代に合った服を用意しなければなるまい。
およそ、国家も組織も個人も生きていくためには3つのことを心がけていかなければならない。
すなわち「普遍性」「時代性」「国民性」である。
変えてはならないもの。
それが普遍性である。
教育でいえば、「人間大事」という哲学、理念だろう。
お互いに人間は偉大な存在であり、それにふさわしい責任を負っているということである。
その理念、哲学がお互いに徹底豆浸透していれば、凶悪な殺人事件も減る。
「人間大事」。
この哲学、理念こそ普遍に変わらざるものであろう。
その普遍性を実現するためには、その時代、時代によって対策はいろいろ変化していく。
人々の欲望、考え方、あるいは技術の進歩によって、その方法は異なってくる。
すなわち、制度、組織、体制、システムなどはその時代その時代に合ったものに変えていかなければならない。
教育においても、情報化時代に情報化を重視しない教育では許されない。
環境が重要課題になってきても、教育に反映しないということであれば、それは時代に適った教育とはいえないだろう。
かつては、情報化も環境問題もそれほど大きなテーマになることはなかったが、今日、それらは教育の根幹に影響を及ぼす重要課題になった。
であるとすれば当然、50年前に考えた教育の基本とは異なってこなければならない。
あるいは「権威」というものも、50年前の上下関係で成立していた権威では成り立たないこと、むしろ、新しい権威を積極的に創造、構築し、その新しい権威によらなければ、これからの教育がますます混乱に陥ることは容易に想像できるのではないだろうか。
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